損害賠償請求 解決事例

市立の幼稚園の庭で遊んでいた息子が、犬に噛まれてケガをしました。
犬の飼い主がわからないのですが、治療費などは誰に請求できますか?

【解決事例】息子が犬に噛まれてケガをしたが、損害賠償の請求先がわからない

事例概要

息子は、A市が運営している幼稚園に通っています。先日、休み時間に友達と幼稚園の庭で遊んでいたのですが、突然、侵入してきた犬に噛まれて、腕や足に大きなケガをしました。
どうやら、幼稚園の裏側の柵が壊れていて、そこから侵入してきたようです。犬には首輪がついていたのですが、飼い主がわかりません。
治療費や交通費、病院に付き添うために仕事を休んだ分など、誰に請求できるのでしょうか。

結果
交渉
損害賠償額
350,000円

解決までの流れ

犬などの動物の飼い主は、その動物が他人に損害を与えた場合、賠償義務があります(民法718条1項)。
しかし、飼い主が見つからなければ損害賠償を請求することはできません
そこで、柵の管理について幼稚園側に非があったと考え、幼稚園を運営するA市に対し、治療費などを請求することとしました。

まず、幼稚園の柵の管理状況について証拠として保全するために、現場の写真を撮影し、また、幼稚園関係者からヒアリングを行い、柵が壊れた状態がいつから続いていたのか、いつから気づいていたのかなどを確認しました。
これと同時に、発生した損害を算定するために、かかった治療費や交通費、また、子どもの通院等への付き添いのため発生した親御さんの休業損害などを計算しました。
その上で、A市宛てに、事件の概要と原因を明記し、損害賠償請求を行いました。

解決のポイント

柵などの幼稚園の設備について、A市がどの程度、管理していたのか、その管理は十分であったか、不備などについてどの程度認識していたか、是正措置はとっていたのか、などをいちいち確認しなければならないとなると、時間がかかってしまいます。

そこで、「柵」というA市の「工作物」「瑕疵」があったことを中心に立証すれば、あとは、A市側が「しっかり管理していたこと」を立証しない限り損害賠償義務を免れることができないと規定する民法717条の規定を活用して、幼稚園関係者からのヒアリング結果を提示し、柵が壊れていたことを強く主張した上でA市の回答を待つことにしました。
その結果、A市は、柵の修理を放置していたことを認め治療費、交通費、通院慰謝料、付き添い費、休業損害など、認められる範囲で金35万円を支払うことで示談を成立させました。

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